腸炎ビブリオの考えられる感染経路は「魚介類」だけではありません。魚介類の調理に使用したまな板や包丁、感染した人が使用したトイレや潜伏期間中の人との接触、傷口からの侵入など様々な経路から腸炎ビブリオに感染します。生の魚介類にだけ注意しておけば良い、と甘く考えていると夏場以外でも感染しやすくなってしまいますよ!

腸炎ビブリオの考えられる感染経路

1)トイレ

感染者の飛沫や接触特にデパートやスーパーのトイレは様々な人が使用します。腸炎ビブリオなど食中毒の原因となる細菌やウイルスは、保菌者の排泄する便などにも多く潜んでいます。トイレの清潔が保たれていないと、トイレを介して腸炎ビブリオに感染する可能性が高くなります。また、唾液にも腸炎ビブリオが潜んでいるので、感染者の咳がかかった手で食事をしたり、唾を拭いたタオルを共用したりすると飛沫による二次感染が発生する場合があります。

普通に接触する分には問題ありませんが、トイレやタオルを共用する場合は注意が必要です。

2)包丁・まな板

腸炎ビブリオが付着した魚や貝はしっかり洗わないと調理に使用するまな板や包丁にも付いてしまいます。そのまま、他の材料にも使用してしまうと
原因となる魚介類だけでなく、一緒に作った料理にも腸炎ビブリオが潜んでしまいます。生の魚を調理する際はまな板や包丁をこまめに除菌するよう
にしましょう。包丁とまな板

3)怪我、手の傷など

腸炎ビブリオは口以外からも侵入します。例えば怪我や手の傷など。調理中に包丁で怪我をしてしまった場合や治りきっていない傷があるまま海水浴を
してしまった場合に、その傷口から腸炎ビブリオが侵入する事があるのです(創傷感染)。食べなければ大丈夫という考えは改めた方が良いでしょう。
なるべく細菌の侵入口を作ってしまわないよう気をつけるようにしてください。
海中の常在菌である「腸炎ビブリオ」は海水の温度が15℃~20℃以上になると急激に増殖すると言われています。どのシーズンでも感染する危険性は
ありますが、特に海水の温度が上がり、海水浴する機会の多い「夏の時期」は感染しやすくなっています。海水浴する際は傷口をしっかりカバーしているか?
海水を飲んでしまっていないか?いつもより注意深く確認してみてください。
指の傷

刺身やお寿司など生で魚介類を食べる際もなるべく新鮮なものを選ぶようにし、保存や調理に十分に気をつけるようにしてくださいね。