食中毒の原因菌は加熱処理をすると死滅するものも多く、火を通せば安全に食べられると言われています。腸炎ビブリオも食中毒の原因菌として有名ですが、腸炎ビブリオは加熱に弱いのでしょうか?殺菌方法も含めてチェックしてみましょう。

腸炎ビブリオと加熱

加熱しても腸炎ビブリオ食中毒になる事がある!?

腸炎ビブリオは通常、60℃~70℃/15分以上の加熱で死滅します。ですが、腸炎ビブリオの「毒素」は加熱処理をしても残っている事があるので、その毒素により食中毒が発生するケースがあります。毒素による食中毒を防ぐには、腸炎ビブリオが付着した食材を真水で洗ったり、調理器具やお皿をキレイにして毒素の量を減らすよう心がけましょう。
和食器

また、腸炎ビブリオは20℃以上で活発に増殖、恐るべきスピードで一気に増えるので調理する環境や保存場所には十分に気をつけてください。4℃以下になると増殖しなくなるので食材を買ってきた後はすぐに冷蔵庫、冷凍庫に保存するようにしましょう。





腸炎ビブリオに冷凍保存は効くの?

腸炎ビブリオは冷凍(-20℃程度)するとほとんど死滅します。4℃以下で増殖しなくなるので冷凍保存で食材が腸炎ビブリオだらけになる事はありません。ただし、冷凍しても生きて食材に付着している場合があるので、解凍する際は冷蔵庫でゆっくりと行うようにしてください。間違っても常温放置しないようにしましょう。解凍した後は過熱処理(焼く・煮るなど)をして食べてくださいね。

加熱処理をしても冷凍保存しても、残った毒素により腸炎ビブリオ食中毒になる事があります。その日のうちに食べ切れなかった食材は生の場合、捨てるようにしましょう。

生食用水産加工品ガイドラインでの規定

生食用の切り身やむき身の場合、成分規格は腸炎ビブリオ最確数100/g以下となっており、保存基準は10℃以下で保存・衛生的で清潔な容器包装に入れる、加工基準は原料用鮮魚介類は鮮度良好であることと設定されています。

よく食べられ、腸炎ビブリオ食中毒の原因になりやすい「生食用かき」の場合、成分規格は腸炎ビブリオ最確数100/g以下となっており、加工基準は生食用切り身などと同じ、かきのむき身の場合は人工海水(殺菌した海水を使用)で十分に洗い、生食用かきを汚染してしまう可能性のあるものを取り去ることと設定されています。
生牡蠣

腸炎ビブリオは食中毒の中でも発生しやすいです。ノロウイルスなどに比べると症状は軽いかもしれませんが、体調によって悪化するおそれがあるのできちんと対処するようにしましょう。