腸炎ビブリオは海底の泥や海水に潜む病原菌・細菌の一種で、サルモネラ菌同様、日本人がかかりやすい食中毒の1つに数えられいます。海にかかわる機会がなくても、水揚げされた食用の魚や貝に付着している事があり、それらを食べる事によって腸炎ビブリオに感染してしまいます。

温かい海水の中では増殖しやすくなるので、海水の温度が高くなりやすい夏の間に水揚げされた魚介類には腸炎ビブリオが付着している可能性が高いです。ですが、腸炎ビブリオは「真水の中では生きられない」という特徴があるので、夏場の魚介類でもしっかりと水洗いすれば、菌を減らすことが可能。加熱処理も効果的です。





腸炎ビブリオの感染原因と感染力

腸炎ビブリオの感染原因は主に2つ。「腸炎ビブリオが付着した魚や貝を食べる(経口感染)」「腸炎ビブリオが付着した魚や貝を調理する(創傷感染)」です。どちらの行動も普段よく行っている事ですし、魚や貝を生で食べるのが大好きという方も多いと思います。基本的に細菌類は加熱処理で死滅させる事ができますが、生で食べる時は十分に気をつけない、簡単に感染してしまいます。特に抵抗力や免疫力の弱い小さなお子さんや高齢者の方は注意が必要。

また、調理中に手の傷口などから感染するケースもあるので「生で食べないから」と油断しないようにしましょう。
魚を切る

感染力は「高い」ので集団で食中毒になる場合もありますし、感染した人の便や嘔吐物から二次感染する危険性もあります。増殖するスピードも早いので、体内に少し取り込んだだけでもすぐに数が増えてしまうのでご注意!

腸炎ビブリオの潜伏場所と潜伏期間

腸炎ビブリオは「海の中」にいるので、海の中で生活する魚や貝が主な潜伏場所となります。感染した後、体内での潜伏場所は「胃腸」となります。ですので腸炎ビブリオに感染すると胃腸炎のような症状が出ます。

気になる潜伏期間ですが、腸炎ビブリオは増殖するスピードが早いので「6時間~12時間」とされています。食べてすぐに症状が出るので、どの食べ物に当たったかすぐに分かるのも特徴。1日も経たないで発症してしまうので、旅行中などは大変な脅威となります。腹痛の女性

とはいえ、重症化する事はほとんどないので回復する期間も短く済む事が多いです。病院に行かなくても1日で治ったという方も少なくありません。もし、感染してしまっても慌てずにしっかりと対処するようにしましょう。魚介類に潜む「腸炎ビブリオ」。夏場は特に魚介類の扱いに注意するようにしてくださいね。